内部通報された情報をもとに社内で調査を行った結果、不祥事の事実は判明したが、お客様に損害を与えた事実がなかった場合、社内で処分を行えば、それ以上に公表する必要はないと判断するケースもあると思います。
しかし、今はSNS等を利用することにより、誰でも世間に対して情報発信できる世の中になっています。もし、不祥事の事実が多くの従業員等の知るところになっている場合は、そこから外部に不祥事が漏れてしまう可能性が高いといます。不祥事が外部に漏れた場合、その不祥事がお客様に対する損害を与えるものではなくても、隠ぺい体質の会社だと認識され、会社の評判を失ってしまうおそれもあります。
他方、お客様に損害を与えるものではなく、会社の意図しない形で外部に不祥事が漏れるぐらいなら、不祥事を公表するという判断もありえると思います(公表したことによって、そのような不祥事が起きる会社だと評判が下がるリスクもあります)。
このように、どのような場合に不祥事を公表すべきかどうかの判断はケースバイケースとなり、様々な事態とリスクを想定して判断しなければなりません。その判断を行うためにも、早期に不祥事が役員にあがるように内部通報制度を整備するだけでなく、制度が有効に運用される必要があります。
(SRM NETWORK 顧問弁護士 植野礼央)