前回「不祥事を公表すべきか」という点について考察しましたが、不祥事を発見するための仕組みを考える前提として、内部通報者保護法と内部通報制度についての知識を整理しておきます。
内部通報者保護法は法律であって日本の会社に適用されるものでありますが、内部通報制度とは会社ごとに作成する社内制度のことであるから、会社ごとにその内容が異なってきます。
公益通報者保護法の目的は、「この法律は、公益通報をしたことを理由とする公益通報者の解雇の無効等並びに公益通報に関し事業者及び行政機関がとるべき措置を定めることにより、公益通報者の保護を図るとともに、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法令の規定の遵守を図り、もって国民生活の安定及び社会経済の健全な発展 に資することを目的とする。」(法1条)と規定さており、「この法律において「公益通報者」とは、公益通報をした労働者をいう。」(法2条2項)と規定されています。
そうすると、法の目的は、「労働者の保護」に主眼がおかれ、そのために会社等に法令遵守を図ることを求める点にあることになります。
これに対して内部通報制度は、労働者の保護も目的に含まれる場合もありますが、コンプライアンス制度の一環として、会社が不祥事を管理することを目的とすることもあります。
このように公益通報者保護法の目的と、内部通報制度の目的は異なります。今回は両者の目的の違いについて確認しましたが、次回以降は、通報の対象事項等、他の相違点について確認していきます。
(SRM NETWORK 顧問弁護士 植野礼央)
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